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    • 2012.10.28 Sunday
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    おおかみこどもの雨と雪 観賞

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      子供たちの夏休み最後の週末。
      どこに行きたいか聞くと、映画が観たい、との事だったので、久々に家族で映画館に。
      娘は「おおかみこどもの雨と雪」、息子は「こびと図鑑」をリクエストだったので、自分は娘と観る事となった。




      簡単に話のあらすじを書くと・・・


      大学生の花はある日、講義で気になる青年を見つける。
      話しかけた花は、青年が学生ではなく勉強の為講義に潜り込んでいる事を知る。
      徐々に親しくなる二人だが、ある日青年は自分が人間ではなく狼人間だと告白する。
      それでも花は青年を受け入れ、二人の生活が始まる。
      子供が二人生まれ、質素ながらも穏やかに過ごす日々だったが、突然青年は帰らぬ人となる。
      悲しみに暮れる花だが、子供二人を一人で育てると決意する。
      苦労しながら二人の子を育て、いつしか子供たちも小学生になり・・・

      といった感じ。

      以下感想だけど、ネタバレ含みますのでご注意を。



      まず映像が良かった。 
      今敏の東京ゴッドファーザーズやパプリカような描き込まれまくった繊細さでも、宮崎駿のポニョのような手描きならではの躍動感でもない、独特の空気感のようなものがある。
      雪山を駆け巡るシーンの開放感などは目を見張る描写だった。

      13年という長い期間を冗長にも足早にもならず描けている所もよかった。
      具体的に書くと、花と彼(狼男)の恋愛期間を映像だけで見せたり、学校の教室を行ったりきたりする事により二人の子供、雪と雨の成長を見せるといった手法が上手く作用していた。

      雪と雨はその成長により幼年期と少年期で性格、進む道ががらりと入れ替わるのだが、その見せ方も上手かった。
      父親は狼人間としての道を選んだが、雪は人間として、雨は狼として生きる道を選ぶ。
      それぞれが別の道を選び、誰が一番幸せなのかはわからないが、それぞれの幸せはあるのだと思えた。

      よく出来た映画だ。



      が。



      何かもやもやする。



      その原因一つは、花の「完璧すぎる母親像」ではなかろうかと思う。

      花は子供たちを叱らない。
      すべて受け入れ、笑顔で対処する。
      彼女のすべて行動は、子供たちの為である。
      自分というものを一切出さない。

      とても人間業とは思えないのだ。

      皆が皆ではないだろうが、子供を育てた事のある人間なら、花の姿に自分の子育ての姿を重ね、少なからず自己嫌悪に陥ったのではなかろうか。
      自分はかなり凹んだ。
      子育てとは、ここまで自分を殺すべきものなのか、と。
      がんばる花の姿が見ていて胸を打つだけに、余計にその衝撃は大きいのだ。


      そしてその子育ての結果にも・・・なんというか、やるせなさが残る。

      先にも書いたが雨は結局狼として生きる道を選ぶ。
      その巣立ちが非常に無機質に描かれていた。
      別れも告げず去った挙句、心配し山を探し回り滑落した母親を(一応は助けるが)駐車場に放置してまた山に戻るのだ。
      なんと薄情なのだろう、と。

      去る前に雪に「今日は母さんと一緒にいて」と言ったり、はたまたその前に花に「山へは行かないで」と言われ一旦留まるといったシーンもあるので、その事に対するケアがされてると言われればそうかもしれない。
      だが、そこまで散々花が苦労して子供たちを育てるシーンを見せられているので、どうにもこうにもその情の無さが切なくて仕方がないのだ。


      子に見返りを求めないのが親だというなら、それも最もだと思う。
      だが親も人間である。怒りもすれば悲しくもなる。
      この作品で、花は人間でも狼でもなく「母親」という生き物として描かれていたところに、このなんとも言えぬやるせなさが残ってしまったように思えるのだが・・・




      滑落し気を失った花は、夢で彼と再び出会う。
      彼は今までの花の苦労を慰め、そして「雨はもう大人になったんだよ」と諭す。

      目覚めた花は狼の姿で去る雨に「まだ何もしてあげていない」と言う。
      それでも去ってゆく雨に「生きて!」と叫び、微笑む。

      辛い時は笑え、と父親が残した言葉を花はいつも守っている。

      この時の花は辛かったのか、それとも子供の旅立ちを祝福し微笑んだのだろうか。



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